柔らかい革サドル Selle An-Atomica を買った話。
突然ですが、革サドルといえばブルックスが有名ですよね。
ですがブルックスはお尻の形に馴染むまで石のように硬いという評判です。
私が前に買ったBROOKS b17 s Specialもブルックスの中では比較的柔らかい方と言われてはいるもののとても硬い印象がありました。
女性用Brooks B17 S Specialサドルを買った話 - クロモリと神社と革と
初めから柔らかい革サドルが使いたいなと少し思ってしまい、調べたところある革サドルを見つけました。
友達がそのサドルを購入したので紹介します。
Selle An-Atomica(セレ・アナトミカ)
X2
です。
セレアナトミカにはいくつかシリーズがあるのですが、友人はX2を選んで購入しました。
理由としては
・革を固定するリベットが六角ボルトナットになっていて革を取り外しできるから。
だそうです。
X1というモデルはX2より安いのですが、普通のリベットが打ち込まれていて革は交換できないようになっています。
ここで一つ疑問が浮かびました。
そもそも革サドルの革なんて交換するの??
というものです。
少し話がずれますが、
Selle An-Atomicaのサドルは、
ソファに座っているかのような乗り心地
と評されるくらい乗り心地が良いことで有名です。
見てわかるようによくしなります。
BROOKSと比較するとSelle An-Atomicaのサドルはめちゃくちゃ柔らかいです。
乗り心地を究極に追求した弊害か、セレ・アナトミカ X2は、
革サドルの特徴である耐久性を捨てています。
セレアナトミカでは革は消耗品と考えているようです。
ここで革サドルの革を交換する理由に繋がってくるわけです。
耐久性がないのなら革を張り替えればいい、という発想ですね。
セレアナトミカは革単品やリベット単品でも販売しているそうです。
このX2はほとんどのパーツを分解できます。
こんな感じ
ここで、
サドル先端の金具を固定しているボルトが共回りしてしまって取れない
という問題が発生。
ゴムの上に押し付けながらボルトを回すことで、なんとか外すことができました。ボルトには要グリスですね。
金具を外したところを見てみると革に亀裂が入っていました。
どういう経緯で入ったものかはわかりませんが残念ですね。
第2の問題
サドルレールとそれを差し込んでる金具の間にある白い筒状の樹脂、
恐らくはナイロンだろうということですが、こいつがサドルレールと擦れ削れて白い粉が...
その影響かはわかりませんがサドルレールがガタついていました。
性能面では問題ないのですが、少し気になりました。
そして第3の問題。
コバ処理が雑、です。
コバとは、革の断面のことを言います。
X2は二枚の革を積層してサドルを形成しています。
一枚革から同じ厚さの部分を探して切り取るより、
薄い二枚を合わせて一枚にした方が、コストを安く抑えることができるのでおそらくはそういう理由でしょう。
このサドル、二枚の革の断面がガタガタなのです。
コストダウンするために工程を省いている弊害なのでしょう。こちらも性能面には関係してこないと思います。
そして気になるのは使い心地ですね。
使い心地ですが、友人曰く
「座り心地は素晴らしいが、座ることによって革が潰れて広がる分、ペダルを踏み込む際に広がった革が太ももに擦れる」
とのことでした。
メリットデメリットを包み隠さず話したつもりですので、参考になればと思います。