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クロモリと神社と革と

某自転車専門学校卒業後、某自転車メーカー開発へ。クロモリや革、神社のこと話してます。

ラグの真鍮ろう流し練習 ラグフレーム制作①

私は自転車の専門学校へ通っています。メンテナンスの授業が終わり、久しぶりのビルディングの授業が始まりました。

 

この時期から二月の中旬にかけてクロモリラグフレームの自転車を製作します。

自作のラグフレームですね。

 

ラグにパイプを差し込み、そこへ溶かした真鍮ろうを流し込み溶接、そして角度などの精度を出して一つのクロモリフレームを仕上げます。

 

 

その第1段階として、ラグとパイプの隙間にろうを流し込む練習をしました。

 

 

 

  • 工程

 

 

ラグフレームは初め、ラグとフレームが別途になっています。

こんなかんじ。f:id:rin_efficiency:20171207174038j:image

 

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今回使用したラグはダイカストと呼ばれる製造法...ようは金属をプレスしてラグを製造する方法です。

 

「ロストワックス」と言われるろうを溶かして石膏型を作る製造法でつくられるラグと比較して、金型を何度も流用できるので大量生産に向いています。

 

 

 

パイプはプレーン管、ノーマル管と呼ばれるパイプを使用しました。

 

最近のスポーツ車バテット加工が施されているフレームが大半を占めます。

 

バテット加工というのは、パイプの内側に段差をつける加工のことで、パイプの中央を薄くして軽量化を図ることができます。 

わかりやすい画像があったので載せておきます。

 f:id:rin_efficiency:20171208005052p:image

 

 

 

 

はじめにパイプとパイプが繋がるように片方のパイプを座繰ります。

 

配布された座繰りシートと呼ばれるシールをパイプに貼り、その曲面に合うようにヤスリで削ります。座繰りシートは3DCADで作られています。f:id:rin_efficiency:20171207175440j:image

 

 

 

ラグにパイプが通るか確認をします。

ここでパイプがスルッと通らないといけません。

 

ラグにうまくパイプがはまらなかったので、ラグの内面を削ります。パイプを削った方が楽なのですが、強度に問題が出るので丈夫なラグの方をリューターで削りました。

 

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f:id:rin_efficiency:20171207174708j:image気持ちよくパイプが通りました。

 

 

ここから溶接に入ります。

ラグとパイプを高温の炎で熱し、ラグとパイプの隙間に真鍮ろうというものを流し込んで二つが外れないように固定します。

 

 

 

ラグフレームとは別にラグレスというラグを使わないフレームがありますが、実はろうを流し込むという面で言えばどちらとも同じです。

 

ラグレスフレームはパイプとパイプを合わせて、その間にろうを流し込みます。そして強度を出すためにパイプの接合部の上に真鍮ろうを盛ります。

これをフィレット加工といいます。

 

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閑話休題

 

 

 

ろう流しをした結果、こんな感じになりました。f:id:rin_efficiency:20171208010000j:image

黒い部分は鉄が焦げているのではなく、鉄を焦がさないために塗ってあるフラックスというものが焦げているだけです。

 

フラックスが焦げる=炎の温度が高い

 

炎の温度管理ができていない、未熟な証拠です。

 

パイプは熱で変形します。よってなるべく低い温度の炎で溶接するのが理想です。

 

このろう流しはぱっと見なんとなく綺麗に見えますが裏はフラックスが真っ黒です。上手い人と比べて時間もかかっているので、作業の無駄を省いた効率化したりするのも今後の課題ですね。 

 

本日はここまで。

 

 

続きはこちら。

フレームに使うパイプ紹介とパイプの座繰り。クロモリ ラグ フレーム製作② - クロモリと神社と革と