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運営者:えんじ
クロモリ Wレバーの6のメリットについて徹底分析 クロモリ好きの若者が語る
初めましての方は初めまして。他の記事を読んでくださった方はお久しぶりです。
えんじと申します。
以前にクロモリの10のメリットについて記事を書かせていただきました。
よろしければ先にそちらをお読みください。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
みなさんはWレバーという変速機をご存知ですか?
こんなものです。
ツーリング車などのクロモリフレームによく付いているイメージではないでしょうか。
今でもジオスやビアンキではwレバーが取り付けられたクロモリロードバイクが販売されてますね。
スポーツバイク全体を見るとwレバーの自転車なんてものは虫の息ですが、根強いWレバーファンやマニア、オタクはこの世に密やかに存在し続けています。
Wレバーを使ってみたい人や、wレバーなんて骨董品だろ?笑 今更使う意味ないじゃん笑笑 みたいに思っている方は是非読んでみてください。
自転車にはこう言う世界もあるんだなぁと言うことがわかると思います。
6のメリット
一気にギアをアップダウンできる
シマノのSTIレバーやSISですとカチカチとクリックをして変速しますよね。ギヤを軽くする時なんかは一度に変速できる段数が限られていると思います。
Wレバーはそんなことは関係ありません。
wレバーはレバーを引くだけですので、一瞬で最小ギヤ、最大ギヤを行き来することが可能です。
信号などで停止する時、左レバーを進行方向に倒すことで瞬時にフロントがインナーに落ち、発車をよりスムーズに行うことが可能です。
上り坂の直前にリヤを瞬時に軽いギヤに変えることも可能です。
かく言う私はフロントシングルでWレバーを使っております。
フロントシングルの場合でも、停車時に右レバーをガッと引くと一瞬でローギヤまで入ります。
ですがみなさんはすでに信号などで止まる際はギヤを軽くしていると思います。
これを読んでこう思われた方もいるでしょう...
停車時や上り坂前はSTIレバーでフロントディレーラーをインナーに入れて軽くすればよくね?と。
その通りです。
ですがフロントシングルの時やFDが不調の時はリヤディレーラーを一気にトップやローに持っていけるのは魅力的でしょう。
そして次のメリットへ話が繋がります。
フロントディレーラー、リヤディレーラーの調整が簡単(フリクション式)
Wレバーにはインデックス式とフリクション式があります。
カチカチと変速する方がインデックス式
抵抗無しに無段階で動くものがフリクション式です。
フリクションはレバーを倒した分だけワイヤーを引くのでRD.FDの動く幅さえネジで調整してしまえばあとはワイヤーを張って調節終了と、細かい調整が必要なくとても簡単です。
シマノのSTIレバーやラピッドファイア、カンパニョーロのエルゴパワーなどと比較して細かい調整があまり必要ないのでとても調整がしやすいのもメリットですね。
ワイヤーを通し直して、一段一段変速調整をして、途中でギヤが中飛びするからアジャスターボルトを1/4周回してワイヤーを張って...
そんな面倒な作業は必要ありません。
レバーは大胆かつ寛大なためそんなまどろっこしいことなど気にしません。
まあまあワイヤーが張っていて、FDやRDの動く範囲が正しければそれで終わりです。
中には
右レバー(RD)がインデックス式で左レバー(FD)はフリクション式と言うものもあります。
デュラエース 7900のWレバーはそのタイプです。デュラ系は大体そうだったりします。
右レバー
左レバー
中にはインデックスとフリクションを切り替えて両方使えるようなシフターも存在します。対応力があって良いですね。
因みに、デュラエースの7800系はフロントはフリクション式、リヤはインデックス式とフリクション式を切り替えられるようになっているという神構造です。
変速回数が減ることでストレスが減る
こちらも個人的な見解です。
ダウンチューブにWレバーがあるので変速するよりもハンドルから手を離さないことを優先することが増え、変速回数が減ります。
脚の回転に合わせてギヤ変速をするのではなく、自分が回しやすいギヤ比を覚え、そのギヤをなるべく変えずに脚を回すようになる、かもしれません。
フリクション式の場合は細かい変速をすることが減るので、自分が一番維持しやすいギヤ比を自然と覚え、それに合わせて変速するようになりますね。
これが現代や変速機との走行面での大きな違いなのではないでしょうか。
STIレバーやエルゴパワーなど現代のデュアルコントロールレバーは脚の回しを一定にするため細かなギヤシフトを必要とします。
その方がより安定した効率的な走りを可能とするからです。
Wレバーユーザーはレースよりもツーリング系の方にベクトルがあります。
忙しく変速せずにゆったりと走るのにwレバーは向いているのかもしれません。
要するに余計なことを考えずにぼーっと走るのには最適なわけです。
ですが、こまめに変速をして脚の疲労を少しでもなくすような走りをする方も多くいらっしゃるので一概にこれ!とは言えませんが、wレバーユーザーの中にはこういった考えの人もいる、ということをわかっていただけると筆者も嬉しい限りでございます。
余談ですが、
手をダウンチューブに持っていくのが億劫になり、何をとち狂ったか膝変速などということをする輩も存在します。
名前通り膝でレバーを蹴って変速します。
蹴ってレバーを倒すため、軽いギヤから重いギヤに変えることしかできません。
ですので蹴りが強いとギヤが一気に変わり、ペダルが重くなり脚が止まります。ここが膝変速の難しいところです。あと普通に膝が痛いです。
余談でした。
STIやエルゴパワーに比べて安い
Wレバーは安いもので5000円程度、デュラエースでも8000円に届かない程度の値段です。
ENE CICLO W-SHIFT LEVER
●パワーラチェットNon Indexタイプ
●10段まで対応
●価格 ¥5,000(ペア
SHIMANO SL-7900 左右レバーセット 2/3(フリクション) X10S SL-7900
参考価格: | ¥ 8,650 |
価格: | ¥ 7,205 |
OFF: | ¥ 1,445 (17%) |
それに10000円程度の高級なブレーキレバーを揃えると18000円です。
GRAN CONPE
GC EVO Lever
●重量:300g
●価格 ¥9,400(ペア)
TRP RRL SR
The RRL SR is a classic looking single speed road lever.
List price |
SHIMANO 105 R7000のSTIレバーが定価で25326円とありましたので、7000円程安いことになります。
名前だけを見ればwレバーはデュラエース、なのに安いのです。
安いことをきっかけにWレバーに手を出してみるのもありでしょう。
きっと違う楽しみ方を見出せるはずです。
自転車の転倒時に破損し辛い
STIレバーやエルゴパワーの場合、落車をしたり自転車を倒した時にレバー内のラチェットなどが壊れて変速しなくなってしまうことがあります。
普通に故障です。
ですがwレバーは基本的にダウンチューブに取り付けられているので、転倒時に直接打撃が加わることが少ない、
故に壊れにくいです。
構造がデュアルコントロールレバーより簡単なことも壊れにくい要因でしょう。
長期的に使うことを考えると壊れにくいクロモリフレームとも相まってより長く使え、愛着が湧き、所有欲を満たしてくれることでしょう。筆者は満たされています。
フォーク抜き輪行がやりやすい
これはメリットとしてもとても大きいです。
シフターがダウンチューブに存在し、ハンドルに付属している部品がブレーキレバーだけになります。
シフターがハンドル周りにないだけでフォーク抜き輪行をする際にとても楽になります。
ブレーキワイヤーのたいこ受け部分に割りが入っているものであればレバー側からワイヤーが抜けますので、フォークからステムごとハンドルを抜いてしまえばハンドルをフレームから完全に分離することができます。
とても大きなメリットではないでしょうか。
以上がWレバーを使う6のメリットです。
深く掘り下げて見ると意外にあるものなんです。
ですが一番のメリットは
美しさ
ではないでしょうか。
やはりファンの心をつかんで離さない要因はこれでしょう。
今回はWレバーの性能面でのメリットということで書かせていただきました。
以上です。
他にもクロモリに似合うブレーキレバーについて記事を書いてますので、よろしければそちらのほうも読んでいただければより、クロモリへの愛が深まるのではないでしょうか。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
御閲覧ありがとうございました。
質問やコメント等、お待ちしております。
えんじはインスタやツイッターもやっておりますので、よろしければそちらの方もご覧ください!(私が作成した自転車がテレビ出演しました!)
卒業制作の自転車完成しましたー。コンセプトは"和モダン"です。入学時に宣言した"伝統技法と自転車の融合"を果たせたので個人的に満足です。 pic.twitter.com/62hkTqKaNu
— えんじ@和と自転車 (@enjiblossomlily) 2020年2月10日
クロモリに似合うシルバークランクはどれか。 おすすめ クランクメーカー11選
はじめましての方ははじめまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。
えんじと申します。
以前、クロモリに似合うブレーキレバーを4種類に分類しました。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
今回はクロモリフレームの自転車に似合うクランクについてお話しします。
クロモリフレーム、クロモリロードは全体的にシルバーパーツが多めです。
その中でもクランクはフレーム、ホイールに続いて自転車のイメージを左右する要因です。
これは私の自転車です。クランクや他のパーツもシルバー系で統一しています。
昔の自転車、今でいうビンテージ車に使われているクランクはほとんどシルバークランクでした。
ルネエルスやストロングライト、TA社など華々しく美しいクランクが活躍していました。
その名残といいますか、歴史を継承したといいますが、現代のクロモリフレームにもシルバークランクを使う傾向が強いです。
古さを継承した新しい自転車、
モダンクラシックというジャンルです。
黒いクランクをクロモリ自転車に使用するとレーシーな印象になります。
シルバー系のクランクの方が黒よりもクラシックにまとまってよりクロモリらしさが出ますよね。
ですがシルバー系のクランクってみなさんどんなメーカーのものがあるかご存知ですか???
私は以前からモダンクラシックの良さを主張していますが、モダンクラシックなシルバー系クランクは少ないようで意外とあります。
有名どころですとカンパニョーロですよね。
今回はシマノ系で紹介するのでカンパニョーロははずれます。
あまり馴染みのないメーカーもあるのでいくつか紹介していきます。
- Dixna(ディズナ)
- AceOffix(エースオフィックス)
- Traditione(トラディツィオーネ)
- STRONGLIGHT(ストロングライト)
- SUNXCD(サンエクシード)
- GRAND BOIS(グランボア)
- Velo Orange(ベロオレンジ)
- Sugino(スギノ)
- WHITE INDUSTRIES(ホワイトインダストリーズ)
- PHILWOOD(フィルウッド)
- PAUL(ポール)
- ENE CICLO(エネシクロ)
Dixna(ディズナ)
ラ・クランク
¥24,150(税別)
東京サンエスのブランドDixnaが提供するラ・クランクは骨盤の狭い日本人に向けて開発されたQファクターが狭いショートクランクです。
『ラ・クランク』は、今まで最小であった約145mmのQファクターより狭い143.8mmを実現しました。
更に、付属のスペーサーを挿入しない場合には、139.8mmまで狭くする事が可能となりました。
また、ギアも49x35Tと、スプロケットが大きくなる方向性の中で回転重視の考えから実現しています。
AceOffix(エースオフィックス)
AceOffix(エースオフィックス) クランク
¥10,999(税別)
Aceoffixは英国の小径折り畳み自転車ブロンプトンに取り付けられる専用のカーボンパーツなどを、AmazonやAliexpressなどで販売しています。
価格帯と驚きの重量、輝かしいポリッシュが魅力的なクランクです。(クランクボルト込みで350g程...)
]
Traditione(トラディツィオーネ)
tradizione belloクランク
¥18,000(税別)
琴線に触れるようなシルバーパーツを製作しているトラディツィオーネ。
他にもシルバーハブやエアロなシルバーシートポストなんかも販売しています。
STRONGLIGHT(ストロングライト)
インパクト 110PCD クランク
ダブル
¥16,000(税別)
トリプル
¥19,000(税別)
ストロングライトはビンテージでも出回っていますが、今回は現行品のものを紹介します。
ストロングライトはサイズ展開が豊富なのが特徴ではないでしょうか。
SUNXCD(サンエクシード)
SUNXCD CRANK
¥12,960(税込)
ストロングライトやTAを彷彿とさせるクランク。レトロに組むときにはぴったりですね。サンエクシードが出しているチェーンリングを使えばリヤ9.10速でも対応しているそうです。
https://www.velocraft.jp/smp/item/CR-SX-00-06.html
GRAND BOIS(グランボア)
グランボアチェンホイール サンクフィーユ
¥34,560(税込)
美しさトップレベルのグランボアのクランク。現品限りだそうですが、このクランクの形状は他の追随を許さないほど特徴的だと思います。
お値段はなかなかのものですが周りとかぶることはほぼないでしょう。
個性を引き立たせてくれるクランクです。
Velo Orange(ベロオレンジ)
グランクリュ 110 BCDフルーテッド トリプルクランクセット
¥23,000(税抜)
グランクリュ ドリリアム110フルーテッド ダブルクランクセット
26,500円(税抜)
ベロオレンジのクランクはポリッシュが美しい逸品ですね。
グランクリュダブルは肉抜き加工が好きな方にはオススメです。
Sugino(スギノ)
Mighty Tour - 901D
XD3BX-701D
ALPINA2 Triple
https://www.cycle-yoshida.com/pc/syouhin_list.php?MCODE=0267
こちらは有名なスギノ。安定性を求めるのならスギノですね。
価格は全体的に高めなものが多いですが、その分品質にもこだわっており安心してお使いいただけると思います。
WHITE INDUSTRIES(ホワイトインダストリーズ)
VBCクランク
¥32,500(税別)
ホワイトインダストリーのロード用クランクです。
高嶺の花と言えばホワイトインダストリー。
チェーンホイール抜きでこの価格帯。"ホワイトインダストリーのクランクを使ってる"というだけでもはやステータスになり得るのではないでしょうか。
PHILWOOD(フィルウッド)
track crank set (polish)
¥148,000(税抜)
ハブで有名なフィルウッドのクランクです。
おそらく最高額であろうお値段を裏付けするような美しいデザインとポリッシュ。
グランボアのサンクフィーユとはまた違うベクトルの美しさ。
こってりとしたランドナーを彩るサンクフィーユに対し細身の美しさを際立たせるような、もはやクランクが主役になり得るような逸品です。
まさにモダンクラシックを象徴するようなクランクではないでしょうか。
PAUL(ポール)
100% pure road crank
¥37,000(税抜)
削り出し系のパーツと言えばポール。クランクはアメリカンな感じが印象的です。
正統派クロモリロードというよりもピスト系に使用されることが多い印象があります。
ENE CICLO(エネシクロ)
Ene Ciclo Chainwheel Double
¥28,000(税抜)
ルネエルスを彷彿とさせる三本アームのクランク。
三本アームの現行品ならこれですね。
「四本アームより五本アームのがクロモリに似合うでしょ」
「いや四本アームも現代風でかっこいいでしょ!」
そんな会話を一蹴するのがこのクランク。
三本アームです。
以上です。
参考になれば幸いでございます。
R7000にシルバーカラーがありますがあれはシルバーというよりガンメタのようなグレー。マットとポリッシュのコントラストが特徴ですね。
やはりカーボンの時代ですのでモダンなカーボンフレームに似合う黒系のパーツが増えてくるのは当然ではあります。
ですがやはり金属光沢の美しさ、輝きは所有欲を満たしてくれます。
鉄パーツマニアやポリッシュオタクなんて人たちが生まれる理由が痛いほどわかりますね。
過去にはクロモリのメリットやデメリットなどの記事も書いています。よろしければこちらもご覧ください。結構ズバッとかいてます。
クロモリ ロードバイク 10のメリットを徹底分析。クロモリ好きが語る。 - クロモリと神社と革と
クロモリロードバイク 2つのデメリットを徹底分析。自転車専門学生が語る。 - クロモリと神社と革と
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卒業制作の自転車完成しましたー。コンセプトは"和モダン"です。入学時に宣言した"伝統技法と自転車の融合"を果たせたので個人的に満足です。 pic.twitter.com/62hkTqKaNu
— えんじ@和と自転車 (@enjiblossomlily) 2020年2月10日
MTB クロモリフォーク製作 その1
みなさんこんにちはこんばんははじめまして。
えんじと申します。挨拶がざつ
今製作しているMTBフレームに使用するクロモリフォークが完成しましたので過程をまとめました。
MTBフレーム製作はこちらから覗いてみてください。
どんな感じに自転車フレームが作られているかがわかるかと思います。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
使用する材料はこれ
これらを使ってフォークを製作していきます。
フォークを二分するように両側に罫書き線を入れます。
そこに水抜き穴を開けます。
開けた穴からフォークのクラウンを伝って水が抜けるようにします。
そして溶接をします。
溶接は真鍮ろうを向かったろう付けです。
真鍮ろうと呼ばれる細長い真鍮の棒を、熱した鉄に当てて溶かして溶接します。
毛細管現象でパイプとパイプの隙間をろうが伝っていくのです。
フォークエンドも溶接。
これは真鍮ろう棒ではなく、コイル状に巻いた真鍮ろうをブレードの中に仕込みますを
それを外側から熱すると...
このように染み出て来ます。
フォークを治具にセットして、
クラウンにブレードを差し込みます。
白く見えるのはフラックスというものです。溶剤のことですね。
これを塗ることによって溶接時にろうを流れやすくしたり熱による鉄の酸化を防いだりします。
溶接...
とりあえず点つけ、ろうを1箇所に持って仮付けします。
そして本付け
こちらもコイル状に巻いたろうを中に仕込んで、それを溶かして溶接します。
中に置くので置きろうとも呼びます。
こんな感じに滲み出ます。
本体の溶接が終わりました。
続いてディスクブレーキ台座を取り付けます。
前回のロードバイク製作の時は、キャリパーブレーキでしたのでクラウンに穴をあけるだけでした。
ラグフレームを製作した時の記事はこちら。塗装までしっかりやってるので是非みてみてください。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
今回はディスクブレーキ仕様MTBですので、ディスクブレーキ台座を取り付けます。
ディスクブレーキ台座取り付けは次記事で。
MTB クロモリフレーム製作 ⑤ 後ろ三角溶接 その2
初めましての方ははじめまして。
お久しぶりの方はお久しぶりでございます。
えんじと申します。
クロモリのMTB フレーム製作、前回は後ろ三角の溶接を途中までやりました。
前回の記事
bicycle-efficiency.hatenablog.com
今回はその続きです!
マウンテンバイクフレーム製作の記事を初めて見る方はこちらからどうぞ。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
マウンテンフレームを作る前はロードフレームを製作しました。
ロードフレーム制作の記事はこちら。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
前回は後ろ三角 チェーンステーを加工したところでした。
続いてシートステーの加工に入ります。
削る部分にガイドとなるシールを貼ります。
大雑把に切って...
このシールに沿ってざぐります。
するとこのようにシートチューブにぴったりとパイプがはまります。
左右をはめるとこのように。
写真でパッパッと紹介していますがピタリとはまるようになるまでに微調整を繰り返してます。
これがまた難しく、当ててみて点当たらないようにするまでに相当の時間を要しました。
全体像はこんな感じです。
それでは溶接をしていきます。
炎による鉄の酸化防止、真鍮ろうを流れやすくするためにフラックスという溶剤を水に溶かしたものをこのように塗りたくります。
bbとチェーンステーも同様。
エンドも塗ります。
まずは仮付けです。上側にぼてっとろうを盛ります。
そしてエンド幅や溶接位置があっているかを確認、微調整します。
狂い取りという工程ですね。
仮付け 狂い取りが終わったので、次は本付け...
名前にシートステーのブリッジを加工します。
クロモリ管を
シートステーにはまるように座具ります。
こんな感じ。
そして本付けです。
ブリッジ
シートステーとシートチューブ。
リヤエンド
本付けが終了しました。
フレームについているフラックスをお湯と酸につけて落とします。
写真では分かり辛いかもしれませんが、ガラス化したフラックスが落ちました。
これによってヤスリやステンレスブラシで仕上げを行うことができます。
フラックスが付いているとヤスリでの作業ができませんからね。
こんな感じで軽く磨いていきます。
次記事ではアウター受けやディスクブレーキ台座などの小物類を取り付けていきます。
最近は割と忙しくて記事更新ができませんが、忘れているわけではないです(ほんと)
私の記事を読んでくださる方がいる限り記事を書き続けますので少しでも読んでくだされば嬉しい限りです。
では。
ツイッターやインスタグラムもやっているのでよろしければフォローよろしくお願いします。
和柄サドルバッグが完成しました〜。
— えんじ (@enjiblossomlily) 2018年8月10日
床革で製作したので安価なのが素晴らしい...😏
クロモリフレーム×革サドルバッグ=エモい という頭の悪い式が証明されつつある。 pic.twitter.com/aZYNergzgq
MTB クロモリフレーム製作 ④ 後ろ三角の溶接 その1
初めましての方ははじめまして。
わたくし、えんじと申します。
前回はMTBクロモリフレームの前三角を作りました。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
一ヶ月以上投稿が開いてしまいましたが、またポツポツと投稿していきます...笑
後ろ三角、
チェーンステーとシートステーですね。
使うパイプはカイセイ。エンドはリッチーです。
まずはチェーンステーの加工からです。
チェーンステーの先端に10mm深の割りを入れます。
入れるのですが...まさかの写真の撮り忘れ。ブログ更新を怠るとこういう事態に陥るのでよろしくないことこの上ないですね。反省します。
割りを入れて見栄えを良くするために斜めカットを入れた状態がこちら。
チェーンステーを治具にセットします。
因みに
ドライブ側のチェーンステーはスプロケがパイプに干渉しないように大きく削り取ります。
そしてパイプを鉄板で挟み込むように固定します。
ここで固定をしないとエンドを差し込んだ部分がずれてチェーンステーがガタガタになります。ホイールセンターが出なくなって乗られたものじゃないですね。
フラックスを塗ってろう付け準備完了。
はい終わり。
すこし溢れた真鍮ろうを削りとって...
こんな感じ。
チェーンステーとエンドの溶接は完了です。
次、チェーンステーの潰し&曲げ加工に入ります。
ロードバイクでは潰しはしたものの曲げはしませんでした。
タイヤ幅が狭いので28cくらいではチェーンステーに干渉しないからです。
マウンテンはタイヤ幅が広くなるのでチェーンステーに干渉しないように潰した上で曲げます。
潰し加工
潰すために治具を使います。
このようにセット。
バイスのハンドルを左右同じ周回します。
おらっ!
はい。
このように潰れます。
わたしこの潰しの見た目が嫌いなので製作モチベーションがあまり上がりませんでした...
曲げ加工
曲げ加工には木の治具を使います。
先ほどのチェーンステーをセット。
おらっ!!
曲がってるのがわかると思います。
二つ並べてみるとこのような感じです。
曲がり角度、支点、なだらかさなどいろいろありますが、
完全に折れましたね。
折れてはいないのですが、一か所に支点が集まってしまったので折れるような形で曲がってしまいました。
強度的にどうなのかわかりませんが続行します。
冶具にチェーンステーをセットします。
このままではBBとチェーンステーを溶接できないので、チェーンステーをBBの曲面にそって座繰ります。
座ぐりやすいように余っている部分をある程度カットします。
ちなみに寸法はリヤエンド430,0㎜。チェーンステーが454,0㎜なので1,0㎜余裕を持たせて23,0㎜カットします。
こんな感じにカット。ここから座繰りシールに合わせて座ぐっていきます。
今回はここまでです。
ひとつ、
寸法についてあまり詳しく書かないのは、あまり数値的なことを話しても面白くないだろと勝手に考えているからです。
私の記事を読んで「こんな風に作ってるんだー」とか「おもしろい」とか何かしら感じていただけたら嬉しい限りです。
続きはこちら
bicycle-efficiency.hatenablog.com
最近ツイッターのフォロワーが4000人を突破しました。ありがとうございます。
主に自転車の風景や自作パーツなど自転車関係のことを呟いていますので宜しければフォローの方よろしくお願いします。
壊れたフロントフォークを使って栓抜きをつくる。 pic.twitter.com/cLXqP3IzKQ
— えんじ (@enjiblossomlily) 2018年9月8日
instagramもやっています。神社や風景中心に写真をあげているのでよかったらフォローお願いします。
古いお金、寛永通宝を使ったトップキャップを作りました。
皆さんこんにちはこんばんは。
私、えんじと申します。
私が去年から構想していた自転車パーツがついに形になりました。
こちらです!!
「古銭トップキャップ」です!
外径:31.8mm
厚み :プレーン6mm
爪 6.5mm
六角穴ボルト:4mm
ボルト長さ:30mm
何故古銭トップキャップを作ったか。
私えんじは"和"が好きです。
和と言っても平安、江戸、明治期と様々な時代が好きです。(明治期は和とは呼べないかもしれません)
そんな"和"を取り入れた自転車や自転車パーツを作りたいと常々考えておりました。
和要素を取り入れたいのなら昔のものをそのまま使えば良い、と考えた結果古銭を使うまでに至ったのです。
使った古銭
こちらです。
はい、見ての通り寛永通宝です。
裏側に文と書いてあったので文銭と呼ばれる銅製のごくごくありふれた貨幣です。
価値的には今で言う10円程なのでしょうか。
どうやら日本のどこかではこの寛永通宝を実際に使用できる市があるとかないとかと言うもっぱらの噂でございます。
私自身、突飛な発想なある程度のデザインはできますが学校の都合上、肝心の製作ができない状況にありましたので、フライス盤を所有している友人を頼ることにいたしました。
その友人であるNさんが改良を加えた古銭トップキャップがこちらです!
単品で見ただけでめちゃくちゃかっこいい...
爪内部に古銭が収納され、円柱の角が落とされてより洗練されたフォルムへと変貌しました。
どうやって爪で古銭を留めたのか全く理解できませんでした!
プレーンタイプと爪タイプをそれぞれ自転車につけてみました。
甲乙つけがたいです。
真鍮と相まって落ち着いた風貌を保ちつつ、存在感を放ってくれているのでアクセントとしてはばっちしです。
そしてこの古銭の何よりも魅力的な所、それは"真鍮の経年変化"です、
真鍮は経年変化によって色がくすんでいきます。
手持ちの真鍮はどれも新しく変化は見られませんが、使っていくうちに変化していきます。
銅と亜鉛の合金である真鍮は、空気中や手経由で伝わる水で銅が酸化して変化していきます。
身近なところでいうと5円玉がそれにあたります。
さて、
このトップキャップ、ボルトが古銭の内側に納められています。
ですので古銭の四角い穴に4mmアーレンキーを差し込んで締め付けができるようになっています。
こちらの古銭トップキャップ、販売もしております!趣味で作成しているものですので需要などは気にしておりません。好みの会う方は是非どうぞ。
プレーンタイプが一つ2000円
爪タイプが一つ2500円で販売しています!
もし購入したいという方がおりましたらTwitterやInstagramにてダイレクトメッセージをお願いいたします。
基本毎日確認しています。ツイ廃とかインスタバエとか言わない。
寛永通宝を使ったアヘッドステム用トップキャップが完成しました!
— えんじ@古銭エンドキャップ製作中 (@enjiblossomlily) 2018年7月21日
ボルトが埋め込まれているので古銭穴から4mmアーレンキーで締め込みが可能です!
爪タイプとプレーンタイプの二種類がございます!共に径31.8mmです。
価格は爪¥2,500 プレーン¥2,000での販売です!是非DMまで!#古銭トップキャップ pic.twitter.com/bHqoea9tw1
いつもはクロモリフレーム製作や塗装の記事を書いています。
MTB クロモリフレーム製作 ③ 溶接部のやすり。
えんじと申します。自転車のフレームを制作したり塗装をしたブログを書いています。
あと革サドルとか自作パーツとかの記事もちょいちょい。
前回はMTBフレームの前三角を溶接しました。
続いて溶接部をやすっていきます。
ヘッド周り
シート周り
bb周り。
このbb周りが一番やすりにくい場所でした。
パイプが集合しているので手でのやすりがとても大変で暑い中じゃこじゃこと削っていました。
ここで一旦夏休みに入ります。
リジットのフロントフォークも制作するのですがそちらは完成させてから記事にします。
季節はもう夏です。
フレーム製作の続きはこちらから。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
BROOKSの革サドルの半年後の変化!写真で見比べよう!
えんじです。
私は去年の12月ごろにブルックスの革サドルを購入しました。
クロモリといえば革サドル。
お尻に馴染みさえすれば乗り心地最強とまで謳われる革サドル、乗って見ない手はありません。
革サドルが届いた時の記事はこちら。
サドルはこれです。
こいつに7ヶ月、約半年以上乗った感想をつらつらと書き連ねていきます。
まず見た目の変化。
Before
After
結構変化しました。
期間は半年。走行距離はサイコンが付いてないのでわかりませんが、毎週必ず一度は8キロ走っていました。
お尻に沿って革がしなってくれてるので乗心地はとてもいいです。
家に届いた初日とその月は一週間ごとにオイルを塗っていました。
革が乾いてきたなぁと感じることが少なかったので、2ヶ月目以降はほぼ塗ってません。
乗心地。
乗心地は半年前に比べてとても良くなりました。
またがった瞬間に気持ちしなります。
革のクッション性が、段差時の衝撃や細かな振動を吸収してくれて快適に乗ることが出来ました。
革自体は硬いです。ノックするとコンコンと音が響きます。
半年乗った革サドル。 革ゆえに表面は堅いが、全体がしなっていい乗心地。表面は堅い。#革サドル #ブルックス #堅い
硬いなら座ったらお尻が痛いんじゃないの???
となるはずですが、段差時のみ、革そのものが下に沈みこむことによって振動を減らしてくれるのです。言うなればサスペンションみたいなものです。
半年乗ったブルックスの革サドル。真ん中の穴があるおかげで左右が別々にしなってとても走りやすい。#革サドル #ブルックス #しなり
真ん中に穴が開いていますが、この穴のおかげで尿道圧迫を回避できます。
動画を見たいただけるとわかりますが、真ん中の穴があるおかげで、ペダルを回す際に左右別々に革がしなってよりスムーズに足を動かすことができるのです。
最近はブルックス以外の革サドルにも注目しています。
BLB
GORIX
グランコンペ
この辺りの革サドルが気になっています。
どうやら私はサドルレールが全て見えているような細身の革サドルが好きなようでした。
イデアルやジルベルトゥなどは美しいとは思いますが、どうやらストライクゾーンから外れてボールのようです。
新たに購入し次第記事にまとめたいですね。
これからも革サドルと共に自転車ライフを送っていきます!
MTB クロモリフレーム制作 ②前三角の仮付けと本付け
どうも、えんじと申します。
前回はMTBクロモリフレームのパイプを座繰りました
bicycle-efficiency.hatenablog.com
続いて、パイプ同士の仮付けをして行きます。
まずはフレームを寸法通りに溶接するために治具をセットします。
角度を合わせたり、寸法を測ったりして合わせていきます。
シートチューブとbbシェルを...
仮付けしていきます。
シートラグも仮付けします。
仮付けをしたら、定盤にセットして狂いを取ります。
この隙間をなくしていくわけです。
狂いをとったら前三角を治具にセットします。
仮付けして...
また定盤にセットし狂いを取ります。
ここでしっかり中心を出さないと乗車時にセンターが出ないのできっちり見ます。
仮付けした前三角をバイスに固定して、本付けに入ります。
シートラグは...
こんな感じに。
ヘッドチューブ周りは...
こんな感じになりました。
bbシェル周りはこんな感じです。
前三角の本付けは以上になります。
次記事ではフィレット部分を削ってなだらかにしていきます。
MTB クロモリフレーム製作。①パイプの座繰り
みなさんこんにちは、こんばんは。
私は自転車のデザイン専門学校に通っているえんじと申します。
以前はクロモリのラグフレームをパイプ切削からパーツ組み付けまで行いました。
クロモリロードバイクのフレーム製作記事はこちら
bicycle-efficiency.hatenablog.com
さて、前回に引き続き今回はマウンテンバイク、MTB製作に入っていきます。
ですのでフレーム製作が終わったら是非パーツを組み付けて近所の森を走りたいです。
のですが、この前初めてピストバイクに乗った際固定ギアやスキットの楽しさを知ってしまったのでピストバイクの方を先に組みたいです。
さて、
使用するパイプ、ラグはこちら。
トップチューブφ28.6、ダウンチューブφ31.8はカイセイの022パイプ。
シートチューブφ28.6はカイセイの024パイプを使用しています。
カイセイのパイプについては過去記事で詳しく書きましたので、一緒にご覧いただけるとより理解しやすいと思います。
BBシェル。おそらく学校特製品
シートラグ。おそらくロンシェン..
.
ヘッドチューブ。こちらはちょっと詳細は分かりません。
それでは製作に入ります。
まずはパイプを適正の長さに切るためにバテット(パイプ内の段差)の位置を確認します。
これは溶接時に薄くなっていない厚い部分でしっかりと溶接できるようにするための目安です。
内側を見るとわかるのですが、パイプは両端が分厚く、真ん中が薄くできています。
次にBBシェルのねじ切りの向きを確認します。
正ねじが左、逆ねじが右になります。
どちらが逆ねじになっているかを確認しないと組み付け時にBBを逆に取り付けなければならなくなってしまいます。多分それでも組める。
次にTT(トップチューブ)DT(ダウンチューブ)にあらかじめ長さ寸法を記入します。この方がわかりやすいですよね。
TT(トップチューブ)DT(ダウンチューブ)に、寸法通りの位置に座繰りシールを貼ります。
パイプとパイプを隙間なくはめ合わせるために、シールを使ってパイプを削る精度を高めます。
このシールに沿って削れば、パイプ同士がぴったりハマるわけです。
BBシェル、ST、DTをはめ合わせると
このようにはまります。
続いて、
ST(シートチューブ)の加工に入ります。
寸法通りにカット。
ラグにはめ込んでみます。
パイプのばりもなく、いい感じです。
BBにパイプが溶接されても水が抜けるように水抜き穴を開けます。
白い三角形みたいなものはパイプ外径の位置です。ぴったりの位置に白ペンで印をつけたので、パイプが正しくBBにはめ込まれると、白い部分が全て隠れます。
次記事では仮付けをしていきます。
クロモリロードバイク 2つのデメリットを徹底分析。自転車専門学生が語る。
お久しぶりです、えんじです。
前回はクロモリロードバイクの10のメリットについて徹底解説しました。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
今回はクロモリロードバイクの2つのデメリットについてオブラートに包まず分析していきます。
メリットに比べてデメリットは1/5と少ないように感じますが、大事なのは量より質です。
おそらくこのデメリットというものを追求していくことでなぜクロモリフレームが時代の流れに置いていかれつつあるのかがわかると思います。
さて、
クロモリの欠点
比重が大きく、初速が遅れる
比重が大きい、要するに重いです。 パイプによってはカーボンに匹敵するレベルの があったりというものがありますが、一般的なクロモリフレームでの話です。
重いが故に、カーボン、クロモリと同ギア比での初速(漕ぎ出す瞬間の速度)を比べた場合、体感的にクロモリの方が遅く感じます。
初速が遅い=コーナリングからの反応、坂での反応も遅れる
ということになります。
オシャレ重視マンの私とは違ってレースに全振りしてるレーサーの友人に乗り心地を伺ったところ
「振りの重さが圧倒的に違う。踏んだ力が脚に帰ってこない。」
という意見を頂きました。
踏み込んだ瞬間にクランク周りがしなることで力が逃げ、結果的に反発が脚に帰ってこないというわけです。
しなりを利用して振り子のように走る、とよく聞きますが、
果たして本当にしなりによる応力が推進力に変わっているのか甚だ疑問でしたので、デメリット入りいたしました。
それと私はクロモリに関しては断固としてアンチ振動吸収性ですので、しなりを推進力に変えられなく、なおかつ振動吸収性もないといよいよ性能面でのメリットが丈夫さ以外見当たらなくなってきました。
振動吸収性については10のメリットの記事で触れているのでそちらを参考にしていただければと思います。
クロモリ ロードバイク 10のメリットを徹底分析。クロモリ好きが語る。 - クロモリと神社と革と
続いて
傷口や内部が錆びる。
長期的に使えるが故の弊害でございます。
転倒や長年の使用により塗装が剥離し、そこへ雨や海風の追撃によりサビが生じます。
一度内部から錆びてしまうと錆びを取り切ることは難しく、変形や破損につながる恐れがあるのでデメリット入りです。
雨の中走行したあとにはきちんとフレームについた水分を拭き取りましょう。この一手間だけでフレームの持ちが変わるはずです。
ただ、普通のクロモリフレームは内部にリン酸皮膜処理というサビを防止する処理が施されているので、普通に使用している分には錆びることはあまりありません。
その場合おそらく先にチェーンが錆びます。
以上の"重い""錆びる"が大きな二つのデメリットになります。
なぜクロモリフレームのロードバイクが少なくなってきているかもうわかりますね。
カーボンの方がレース的な性能面では上なのです。
多くのロードバイク乗りが性能面を追求したこと、錆びずに軽く丈夫な素材としてカーボンが台頭してきたことにより、昔ながらのクロモリフレームは時代の流れとともに忘れ去られつつあるのです。
クロモリラブの私、えんじの認識でさえクロモリはコンビニ弁当の中でいう漬物的立ち位置です。
ちなみにハンバーグ、唐揚げなどの主役のおかずはカーボン。
量の多い白米はアルミでしょうか。
ちなみに私は大の漬物好きでございます、と。
こんな今日1番でどうでもいい情報を垂れ流したところで、この記事は以上になります。
主に自転車や風景の写真などを投稿をしているので興味がある方は是非フォローをよろしくお願いします。
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こういう中途半端な空がめっちゃ好きなんだけどわかる人いませんかね。 pic.twitter.com/wpqvR2Awoi
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クロモリ ロードバイク 10のメリットを徹底分析。クロモリ好きが語る。
えんじです。
前回はクロモリ、マンガンモリブデン、ニッケルモリブデンについて説明しました。
クロモリ、ニッケルモリ、マンモリの違いとは?? クロモリロードフレームについてもう一歩知る。 - クロモリと神社と革と
今回はクロモリのメリット、デメリットについて徹底分析したいと思います。
クロモリ10のメリット
フレームがしなやか
クロモリはアルミやカーボンに比べてしなやかです。
ペダルを踏み込む際フレーム全体がグイッとしなります。
しなった後は金属が元に戻ろうとする力、反発力が働くため、しなりを動力として走ることができます。
このしなりが生き物のような走りを実現し、フレームと一体になって走っているように錯覚します。
-
振動吸収性が良い
確かに、アルミなどに比べれば振動吸収性は良いです。
こちらをご覧ください。
左から二つ目の項目、縦弾性係数が振動吸収性に直結しています。数値が高いほど振動吸収率は良くなります。(自転車探検!から抜粋。)
低炭素鋼と並んでクロムモリブデン鋼が一番になっていますね。
ですがこれはあくまでも数値。
"しなやかなフレームは乗り心地が良いとされているが、サドルおよびタイヤなどが乗り心地に与える影響に比べると、その影響は大変小さい。フオークまたはリムとスポークが乗り心地に与える影響よりもやや小さい。具体的には、 サドルを取り外し、立管に垂直荷重を加えて測った各部の縦方向変位データは次のようになっている。
合計変位を100%とすると、
フレーム2%、
ホイール(リムとスポーク)3%、
フォーク4%
そしてタイヤ91%である。 " (自転車探検!から抜粋。)
この記述を見るとフレーム自体の振動吸収性は走行面ではさほど影響がないことがわかります。
実験結果に基づく記述ですので信憑性は高いです。
詳しくはこちらをご覧ください。
クロモリフレームで走っていて「振動吸収性が良い!」と体感する要因はタイヤ空気圧の調子やサドルのクッションの効果であって
"殆どフレームの成果ではない"ということです。
クランクに力を入れた際に発生するしなりの面白さはありますが、実際に振動吸収性を高めたいのならばサドルやバーテープをクッション性の高いものにするなり、グローブをするなりした方が効率的ですね。
「振動吸収性の良さ」をクロモリのメリットにあげるかどうかとても迷いましたが、数値的にはアルミより優っていたので記述しました。
結局振動吸収性はカーボンが一番です。
-
アルミやカーボンに比べて寿命が長い
カーボンフレームやアルミフレームは耐用年数が平均して15年ほどと言われています。
紫外線による経年劣化(カーボン)や金属疲労(アルミ)によって徐々に蝕まれていきます。
ですがクロモリは耐用年数が非常に長いです。
普通のクロモリロードバイクでしたら、サビに気をつけ丁寧な手入れを続ければ半世紀は乗り続けられると思います。
長い時間乗り続けられるということはその分自転車を丁寧に扱っている証拠なのかもしれません。。(ぞんざいに扱っても案外長持ちはします)
-
アルミやカーボンが壊れる衝撃にも耐え得る強度
クロモリといえば丈夫さが売りですよね。
落車をしてしまった際アルミやカーボンに比べてクロモリの方が破損し難いのは事実です。
ではどの程度丈夫なのか。
もちろん下りなどで事故を起こせばクロモリフレームでも曲がることもラグの根元からバキっと折れることもあります。
ですがカーボンやアルミでは壊れていたであろう衝撃に、クロモリならば曲がるだけで破断せずに耐えてくれるかもしれません。
そうすれば新車購入ではなく修理で済み、愛車を失わなずに済むかもしれません。そんなここぞという時に頼れる素材がクロモリなのです。
-
フレームの修理が可能
いくらクロモリでも落車やサビによって凹んだり曲がったり破断することはあります。
そういった際に、凹んだ部分を引っ張って元どおりにしたり、曲がったり折れたパイプを根元から引っこ抜いて新しいパイプにすげ替える事で修理が可能です。
はじめて買った愛着のあるフレーム、長年寄り添ってきたクロモリフレーム破断してしまい、泣く泣く新しいフレームを購入...なんてことにならないわけです。
調べてみると、修理費用はトップチューブ、ダウンチューブの差し替えが¥30,000前後のところが多かったです。あくまで参考金額になります。
溶接時に塗装をはがさなければいけないので再塗装代で¥40,000と仮定すると、合計¥70,000で修理が可能となります。こちらもあくまでも参考数値です。
修理費+aで新車を購入できるじゃん!と考えるか、大事な愛車を失わずに済む!考えるかは個人の自由です。
因みに、フレームが破断する場所は溶接跡付近多いです。
溶接部分は丈夫なのですが、溶接部分の周りが溶接時にパイプに加わった熱で脆くなって折れてしまうようです。
これを読むと「クロモリって折れるの...?」という気にならなくも無いですが、安心してください。余程のことがない限り折れません。
事故が起きた際、真っ先に曲がるか折れるかする場所が溶接部分の周りという話です。
最近ではカーボンも修理可能な場合が増えてきました。カーボンドライジャパンさんやその他各社がカーボン修理を請け負ってくれますね。
-
フレームオーダーの際の自由度が高い
クロモリはオーダーメイドが可能です。
フレームビルダーさんのお店で実際にフレームに使用するパイプの種類、ラグの有無を選べたり、フレームの形状を自分の体型に合わせて自由に変更することができます。
ここがまたフレームオーダーの面白いところです。ラグの種類にもお洒落なコンチネンタルカットやスタンダードなイタリアンカットという種類があったり、オリジナルラグを作れるところもあったりします。
コンチネンタルカット
イタリアンカット
パイプに関しましても、丹下、コロンバス、カイセイ、レイノルズと様々なパイプメーカーがあり、その中にも様々な特性を持つパイプが数多くあります。
極薄パイプで軽量化を図ったり肉厚パイプで剛性重視にしたりできます。
パイプ径を細くして細身の美しいフレームに仕上げたりエアロパイプを使って空気抵抗を少しでも減らしてみたりといったことも可能です。
ツーリング車にしたいからダボ穴を多くつけたい、極限まで軽量したいから小物を全て取り除いた電動コンポ専用のフレームにしたいなど、例を挙げればきりがありません。
オーダーフレームですので勿論塗装も自由自在です。
ラグをメッキにしてみたり、一色塗装で統一感を出したり、いろんな色を使ってカラフルなフレームにしてみたりと可能性が広がります。
この自由度がオーダーフレームの魅力です。
お値段は安いところで10万円から、高いところだとパーツ代込みで100万円を超えるなんてこともあります。
-
細身パイプやラグが美しい
私、えんじはこの利点を一番に推したいです。
何故ならラグフレームが大好きだからです。
最近のカーボンは殆どがモノコックフレーム(フレームが殻のように一体構造になっているもの)になり、細いパイプのフレームを見なくなりました。
アルミで細身のフレームを作ると剛性が足りなくなりフレームとして成り立ちません。
結果として細身の美しさを出せるのはクロモリやチタンのフレームになります。
モノコックフレームのカーボンフレームは美しいというよりもかっこいいという言葉が合いますよね。
カーボンフレームはクロモリに比べて太いフレーム、見た目に相反して軽い、このギャップが魅力の一つでもあると思います。
ならば、細身の美しい見た目に相反して重量感のあるフレームも魅力の一つではないでしょうか?
ごついカーボンフレームがかっこいいなら細身のクロモリは美しい、そう言って差し支えはないと思います。
-
ビンテージの魅力を楽しめる
アルミ、カーボンフレームは耐用年数が15年ほどなのでビンテージと呼ばれるまで熟成されたものが少ないです。
長い年数を壊れることなく生き抜くことができるからこそ、ビンテージとして新たな付加価値を得て皆に愛されることができるのです。
ビンテージが好きな友人に話を聞きました。
"昔の自転車はパーツを集めて、その互換性の辻褄を合わせるためのフレームを作ってた。 だからフレームは最後に決めるパーツ。"
"フレンチ規格はだるい…。28.6mmはフレンチ規格では端数を切られて28mmのパイプになってることがある。
だから、例えばユーレー、ジュビリーのフロントディレイラーでは28mmのバンドと28.6mmのバンドのものがある。
(ボルトの長さ、ワッシャーの幅が変わる、これはサイズを見分けるだけのもの。)
ビンテージ風は現行品。パーツに互換性がある。
ビンテージは廃盤のもの。パーツの互換性がないものが多いから、フレームを1から作らなきゃだめだったりする。
そうなると、ビンテージパーツが好きだからそれを使うためにクロモリに乗る。それが似合うからクロモリを使う。
面倒なところを含めてビンテージ自転車の味であり魅力なのでしょう。
昔から自転車屋を営んでいる店主から聞いた話では、
昔のユーレーやサンツアーなどのパーツは、今の時代でいうシマノのSORAやTIAGRAがただ歴史の流れに置いていかれ、その時代にとり残されただけのものという認識らしく、古いパーツにそこまでの価値を見出していませんでした。
これもジェネレーションギャップなのかもしれません。
今私たちが当たり前のように目の当たりにしている105やアルテグラ、デュラエースもあと50年ほど経てばビンテージの部類に入るのでしょうか。もしそうなら時代が来るのなら楽しみです。
-
速度の概念に囚われずに新しい走りを見つけられる
初めてロードバイクを買う人でクロモリのフレームを買う人はレースに出る目的で買う、というよりサイクリングやポタリングを楽しみたい!という理由での購入の方が多いのではないでしょうか。
私、えんじも初めはアルミの軽量フレームに乗っていましたが、速度よりも大事と思えるものを見つけたのでクロモリに乗り換えたというのがあります。
自転車から見える景色や田舎ののんびりとした空気感、軽やかな鳥の鳴き声、ひんやりした地面に晴れ渡る空。
ただひたすらタイムを縮めるために走る、横にいるやつに負けたくないから走る、これも走るには十分すぎる理由ですしとても崇高です。
ただ、競争心からかけ離れた違う魅了がある。
少し視点を変えるだけで見えてくるもの、感じるものが一転する感覚を味あわせてくれるのが
クロモリ、鉄の自転車なのかもしれません。
巡航速度が何kmだとか1日の走行距離が何キロオーバーだとか摂取カロリーがいくらだとか空気抵抗がどうとか、気難しいことなんて忘れて馬鹿みたいになにも考えずに走るのも楽しいぜということです。
-
アルミと比較して同等、もしくは安い値段帯(オーダーやビンテージを除く)
エントリーモデルですと、クロモリは比較的安価に購入することができます。
価格帯は¥150,000前後のものが比較的多い印象です。
¥100,000を切るものも数多くあります。
特にラグを使わないラグレスのフレームはクロモリの中でも安いものが多い印象があります。(トップグレードクロモリパイプと高級コンポーネントが使われているものはラグだろうとラグレスだろうと高いです。)
エントリーモデルのラグフレームはラグレスよりも高価なものが多くなりますがカーボンロードバイクと比べて安価での購入が可能です。
以上がクロモリ自転車のメリットとなります。
筆者は主にクロモリロードやモダンクラシックな自転車についてよく話します。
クロモリロードに似合うブレーキレバーは何か、似合うクランクは何かなどクロモリについて筆者なりに研究しているので、よろしければそちらの記事も是非ご覧ください。
デメリットについての記事はこちらから。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
クロモリロードに似合うシルバークランクのオススメはこちらです。
安いものから超高額なものまで、聞きなれないメーカーもございますので是非ご覧ください。
bicycle-efficiency.hatenablog.com
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卒業制作の自転車完成しましたー。コンセプトは"和モダン"です。入学時に宣言した"伝統技法と自転車の融合"を果たせたので個人的に満足です。 pic.twitter.com/62hkTqKaNu
— えんじ@和と自転車 (@enjiblossomlily) 2020年2月10日
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フルーティな香りがする本革でキーケースを製作。
こんにちは、えんじです。
いつもは自転車や神社についてブログを書いているのですが今回は純粋な革細工、レザークラフトです。
作品はこれ!
こちらはキーケースになります。
このキーケースの制作過程をざっくりとまとめてみました。
使う革はこちら。
取扱いレザー::革(レザー)卸売・サンプル販売のウィンズファクトリー
ウィンズファクトリーさんで扱っている本革、ピエロラックスという牛革を使いました。
この革はなめす際にミモザ、ケブラチョなどの植物の他に牛脂を使っているそうです。
それゆえかどうかはわかりませんが、とても柔らかい革です。
そしてそこに特殊なエッセンスを混ぜることでフルーティな香りを醸し出すことができる、らしいです。
特殊なエッセンスってなんでしょうね。
ウィンズファクトリーさんでピエロラックスを購入しました。
この時点でとてもいい香りがしました。私はいい香りと感じていますが、癖が強いです。
革を購入したので、適当にキーケースの設計図を考えます。
この設計図、本当になんの意味もなさなかったです。その意味のなさは後々革を切る瞬間にわかりました。
そもそも寸法自体使い物にならなかったので大体の形状を把握するためだけのものでした。
パスモの大きさをしっかりと計り直して、形状化。これは試しに床革で作ったものです。
造形的には問題ありません。
ただ、パスモがピッタリ入る大きさなのですが、鍵が下からはみ出してしまいました。
その改善点を踏まえて本番です。
まず規定の寸法を革にけがきます。
切り出します。
私はオルファの革切りカッターを使用しているのですが、最近切れ味が悪くなってきました。
研げばいけるのではと思い、研いでみたらまさかの切れ味が復活。
やったぜ!と思ってなんとなく刃を外してみるとまさかの両面に刃が...記載しておいてくれ。
続いて
蓋部分のデザインです。
穴あけポンチで穴を開けます。
パターンをいくつか考えて床革で試作。
ちょっと何か物足りない感じがあったので二つ目。
派手すぎました。依頼主の人柄を考えるとこちらは合いません。
このくらいがベストでしょうか。
控えめで、落ち着いた主張をしてくれるようなデザインを目指しました。
切り出した革に穴をあけます。
切り出し忘れていたパーツを切り出して、そいつの裏に金蘭を貼り付けます。
この時、金蘭の端がほつれてしまう事件が多発しました。どのように処理するのが正解かわかりませんでしたので、未処理。
接着して縫い付けるから大丈夫だろうと楽観的に考えています。
形的にはこんな感じ。
バネホック、四連キー金具を打ち付けてかしめます。
四連キー金具をかしめる時、革が薄すぎてかしめられませんでした。
ですので金具裏に革を挟んで厚みを増しています。
さて、
これで縫う準備が整いました。あとは縫って仕上げます。
以前ステッチングポニーの跡が革についてしまったのでとりあえず応急処置として柔らかいタオルで挟み込んでみました。
見栄えはあれですが一応あとはつきません。
本体とカード入れ、ストラップ取り付け用のDかんを縫いつけました。
あとはバネホックがついてる革と本体を縫いつけて...
完成です。
質感はとてもしっとりとしていて、牛革キーケースのなかでは比較的柔らかいです。
依頼主も喜んでくださったので製作者としては大満足です。
このキーケースの依頼は承っております。
価格 ¥3,500
ストラップは付属しませんので、ストラップが必要な方は別途購入をお願いいたします。
こちらがオススメです。8色のカラー展開があり、価格もそこそこ安いです。
ご依頼をされる方はツイッターかinstagramにてご連絡ください。
控えめインレイ。革はピエロラックス。 pic.twitter.com/Y5jWMcKfKo
— えんじ@神社と自転車 (@konti_in) 2018年5月11日
クロモリ、ニッケルモリ、マンモリの違いとは?? クロモリロードフレームについてもう一歩知る。
どうも、えんじです。
私は専門学校でフレーム設計をしたり、クロモリフレームやクロモリフォーク、クロモリステムなんかを溶接したりしています。
さて、
自転車のフレームは様々なもので作られますが今回はクロモリに焦点を当てます。
クロモリとは、
細身で前三角と後ろ三角があって細いやつです。
こんなの。
スポーツ自転車ショップに行くと奥の方に小さいコーナーがあってそこにひっそりと佇んでいたりしますよね。
今回はクロモリの美しさの要因の一つ、細さ
についての話とクロモリの種類の話です。
- そもそもなぜクロモリフレームはアルミフレームより細い?
この疑問を解決するにはまず、なぜアルミは太いの?という疑問をざっくり説明します。
アルミのフレームはクロモリのフレームに比べて太いのは共通認識だと思います。
こちらがアルミで
こちらがクロモリです。
1枚目の自転車の方が太いですね。
ではなぜ太いのか。
アルミはクロモリに比べて引張り強度が弱いです。
なので実際にクロモリパイプとアルミパイプを同じ径、同じ厚みで比べてみると、アルミパイプの方が耐久性が弱いです。
同じ径のまま厚みを増やしても自転車として最低限の強度まで達しません。
薄さを保ったまま径を大きくすることによって自転車のフレームとして十分な強度が確保できます。
中身が詰まった細いアルミ棒と中身がくり抜かれた少し径の大きい中空アルミパイプ、同じ重量の場合、後者の方が圧倒的に丈夫なのです。
更にいうと、四角柱よりも円柱の方が上下左右均等に引っ張られるのでより強度が出ます。角材ではなくパイプが自転車に使われる理由はここにあります。
また、アルミは軽量化も期待できる素材です。
限界まで薄くし、薄くなった分だけ径を大きくする事で軽量化することができるというわけです。
要約するとアルミは引張り強度がないのと軽量化をするためパイプ径が大きくなります。
逆に考えてみるとクロモリは引張り強度があるので径を小さく、より細くできるのです。
径が小さく薄いパイプより径が大きく薄いパイプの方が技術的にも作りやすいらしいです。
クロモリでもパイプの厚みを薄くして径を小さくすることはできます。実際そういうパイプには特殊な焼き入れ加工などがされていますね。
ここまではクロモリが細い理由についてのお話。
続いて、
クロモリの種類について話します。
- クロモリ(クロムモリブデン鋼)
鉄にごく僅かのクロムやモリブデンを含んだ低合金の一種のことです。アメリカでいうSAE4130材という規格です。
カイセイというパイプメーカーでは4130Rというパイプを出していますがこの4130はアメリカ規格からとってつけているのでしょう。
これが一般的に言われているクロモリです。大体のクロモリフレームがこのクロモリを使用しています。
といいますが、クロモリという名前の通りなのでこの素材を使っていて当たり前ですね。
他にも種類があります。
- ニッケルクロモリ(ニッケルクロムモリブデン鋼)
鉄にニッケル、クロム、モリブデンを混ぜたものをいいます。3つの物質を混ぜているので三元合金です。
クロモリよりも引張り強度があり丈夫なので、パイプをより薄手にできるので軽くなります。SAE8630材が有名です。
カイセイの8630RというパイプもこのSAE8630材の8630からとっているのでしょう。
ニッケルクロモリは普通のクロモリより高級です。単純に考えてもクロム、モリブデンに加えてニッケルが新たに加わってるのでその分価格が増えるわけです。あくまで単純に考えるとです。
引っ張り強度はクロモリと同等です。なので同じように自転車の素材に使われてきました。
素材的にはクロモリよりマンモリの方がしなやかですので、キャンピング車やツーリング車にはマンモリが合います。
パイプメーカーのレイノルズ社はマンガンモリブデン鋼のパイプを出しています。レイノルズ531というパイプです。
このレイノルズ531は第二次世界大戦時に爆撃機の胴体部にも使われていたそうです。
年号を見ると時期的にスーパーマリン スピットファイアの素材に使われたのでしょうか??
もしクロモリフレームを持っていたらフレームを隅々まで見てみてください。
フレームのどこかに使われているパイプメーカーのシールが貼ってあるかもしれません。
そのシールを見れば、どのパイプメーカーのどんなパイプが使われているかがわかると思います。パイプの特性、その自転車がラグフレームか、ラグレスフレームかによって、レースを想定されて作られたのかツーリングを想定されて作られたのかがわかるかもしれません。
今回はクロモリの細さについてと、クロモリの種類についてでした。
次記事ではクロモリフレームの利点と欠点を上げていきたいと思います。
クロモリ ロードバイク 10のメリットを徹底分析。自転車専門学生が語る。 - クロモリと神社と革と
パイプメーカー カイセイのパイプについてまとめた記事はこちら
クロモリのパイプの種類について、カイセイ?コロンバス? - クロモリと神社と革と
クロモリのラグフレーム製作の過程はこちらにまとめてあります。
ラグの真鍮ろう流し練習 ラグフレーム制作① - クロモリと神社と革と
Instagramやツイッターでも自転車の写真やレザークラフトの作品をアップしていますのでよろしければフォローお願い致します。
Blossomlily号、略してブロリー号...
— えんじ@Blossomlily (@enjiblossomlily) 2018年4月6日
ホイールがまだデュラだから完成は先だけど見納めください。
クロモリはメッキ塗装以外も案外かっこいいということがわかりました。#クロモリ #ロードバイク #ロードバイク乗りと繋がりたい #ビンテージ #クラシック #Blossomlily pic.twitter.com/Ari9l3WooK